2014年04月05日 (土) 18:21
後半は、中身についてちょこちょこと。
さて、ここまでで、『女性主人公』が『異世界で働く』というお話を書く準備が出来ました。
ですがこのままでは、まだまだお話がふらふら彷徨ってしまいます。
物語の大凡が決まれば、私の場合、まず手を付けるのが世界観。
キャラやストーリーと逆じゃないのかと言われそうですが、書き手さんによってそれぞれバラバラ過ぎて平均もありませんし、作業その物を必要としない場合も多いので、あくまでも私の場合は、となるでしょうか。
異世界と一口に言っても千差万別、ある程度約束事を決めておかないと、後から酷いことになります。指差し確認の表を、自分で作るようなものかもしれません。
剣と魔法があって、ドラゴンが飛んでいて、エルフやドワーフなどの異種族がいて……。
共通認識として、なんとなくイメージされやすそうな中世風ファンタジー異世界を舞台にするしても、ちょこちょこと『都合良く』改変していく必要がありました。
例えば、貨幣。
例えば、魔法。
例えば、言語。
こんな具合で気になったところを潰していくと、なんとなーく固まっていくので、設定メモを整理していきます。
これで世界がかなり出来上がってきました。これでようやく、そこに暮らす人々がどんな生活をしているのか想像しやすくなってきました。
次に本文執筆と世界観修正、キャラ立てを交互に行って、ともかく数話書いていきます。
違和感があれば本文を書き直し、あるいは世界の設定をねじ曲げるのはいつものこと。
もちろん今見返すと、使わなかったネタやその他意味不明なものが書いてあります。
・旅客運賃のみでは満員でも赤字、樽換算にて船倉貸しをすることで辛うじて黒字だが、船体の償却費は出るか出ないか程度
……船で商売でもする気だったんでしょうか?
・実は海賊
・身売りされかけるところを予備の杖「最近使ってないから……」
ハードな展開になりかけていたようです。これはこれで、何かに使うかもしれません。
・貴族院、失策の責任追及を利用して貴族各派が互いに足を引く
・自分の祖父らを引っぱり出したいのなら構わないが……
・贈収賄事件は秘密裁判にて決着
宮廷劇もちょっと考えてました。村と関係のないお話になるので不採用にしましたが……。
お爺ちゃんって誰なのか本気で忘れかけてましたが、本編では削ったジネットの祖父です。
キャラの方も、もちろん当初はぶれぶれでした。
主人公のジネット、名前と性格はすぐに決まったのですが、年齢がなかなか決まらず迷っていました。
また、同じキャラでも年齢で行動や思考が変わりますから、ぎりぎりまで落としてみたり、限界まで上げてみたり……。最終的に22歳に落ち着かせましたが、本人としても社会的に見ても大人(一人前)なんだけど、まだまだどこか『お嬢さん』な年齢って難しいです。現代社会だともう少し上になりますね。
そこに中世風という時代背景(魔法でいくらか補われているにしても産婦人科系統の医療技術とか、低年齢労働者の許容/必要とされる社会の状況)を考慮すれば、このあたりがベストなるのかなと都合良く解釈を導きました。
お相手のユリウスは、世間的には『おじさん』と呼ばれてもおかしくないが本人はまだまだ若いつもり……ぐらいの年齢と言うことで、30過ぎに。
おまけで、良識はあるが常識がずれてるところを少し掘り下げて、背景を豊かにしています。髭生やしてる理由は単に童顔隠したいだけとか、仕事(冒険者稼業)は超一流だけど生活力は二流以下すぎるとか、行動から性格を決めていきました。
続いてタイトル。
中身が3話ほど出来上がった頃、ようやくタイトルをつけました。
いつも悩みますが、タイトルは作品の顔ですから多少以上に気を使います。
同時に見切り発車で投稿開始。自分への発破かけでもあります。
最初、決め台詞的に使いたいなと用意していた『これ正に正道なり』をそのまま持ってきました。
ですがこれでは、硬すぎていけません。現在の『シャルパンティエの雑貨屋さん』に落ち着くまでに、『これ正に正道なりっ!』『アルールの娘』『ざっかや!』『髭面の騎士と雑貨屋の娘』……。メモを見返すと色々考えてた事を思い出します。
……後に『パンティ屋』という略称をつけてくれた人がおりまして、上手いこと言うもんだなあと爆笑しました。字の並びはそのままですし、覚え易さとインパクトもあるのですが、表だって使いにくいのがとても残念です。
ちなみにシャルパンティエ“Charpentier”は仏語圏のファミリーネームで、英語だとカーペンター、大工さんの事です。一から村を作るという部分に引っかけました。
さて、この様な作業を詰める内になんとか『起』が完成&投稿完了、残りの『承』『転』『結』は、エピソードの種になりそうな単語をわらわらと節操なく書き出し、そこからピックアップして並べ替えるという作業を繰り返してプロットを作ってから書いていきました。
あとは……奇を衒わず、オーソドックスな作りのお話になるよう意識していたでしょうか。
異種族は本筋に関係ないなあとオミットしましたし、ドラゴンは名前だけ、魔法の道具も設定だけは沢山作ったのに、まともに出したのは1つ2つという……。
たまーに誰にも気付かれないような小ネタを放り込んで、ふっふっふと一人悦に入ったりもしていました。
なんだか後書きと言うよりは作業風景のまとめみたいになってしまいましたが、このような流れを経て完成したのが『シャルパンティエの雑貨屋さん』です。
実は個人的なメッセージとお礼も兼ねてこの様な型式にしたのですが、如何でしたでしょうか?
上手く伝わっているといいのですが……。
そして本作を読んで下さった全ての皆様、本当にありがとうございます。
やっぱり、何がどうあろうと、読んで貰えることが一番の喜びです。
とりあえず、次は『三日間』……の予定です。
準備を殆ど整えていないので、中短編の読み切りに浮気しないと言い切れないのが微妙ですが。
ではまた。
運営がこの状況ではまずいと考えれば、そう言ったてこ入れがあるかもしれません
ゲームの運営チーム側は、同時に遊園地の中の人でもありますので、基本のシナリオを歪めたりまではしませんが、お客さんが楽しめているかどうかには気を使っています
ヨシユキ さま
今の段階では何とも申し上げにくいのですが、ご期待に添えるように頑張らねばと思いつつ、なかなかあれもこれもと……