検証『きさらぎ駅』
2014年02月13日 (木) 12:58
 もう既にきさらぎ駅の検証に関する文章がどこかで出ていたけど、中原なりにちょっと検証してみようと思う。
 私は『きさらぎ駅』は浜松に来たことがない人間の創作だと考える。
 以下、論拠を展開する。

参考はこちら ブヒヒ速報まとめ 【閲覧注意】きさらぎ駅…
http://blog.livedoor.jp/buhihisokuhou/archives/29255146.html

 『きさらぎ駅』の中で、>>1は赤電と思しき電車に新浜松(静岡県西部)乗った結果、富士市の比奈(静岡県東部)に出てしまう。
 それだけ聞けば、はぁ、不思議だな、で終わりなのだが、問題は『きさらぎ駅』の描写に入る前の細かい部分にある。

 最大の焦点は、はすみさんは赤電に乗ったのか? ということである。
 『静岡県の私鉄』『新浜松からの電車です』と言っていることから、赤電(遠州鉄道)であることが確定する。なぜほかがありえないかというと、『新浜松』という駅は遠州鉄道の駅以外には存在しないからである。
 浜松に住んでおられる方ならわかると思うが、浜松駅というのはJR浜松駅と遠鉄バスターミナルのことを指し、遠州鉄道の赤電、新浜松駅はこれらと少し離れた場所に独立して(駅舎も違う)存在している。
 そして遠鉄の新浜松からは単線、各駅停車の赤電(駅では二股に線路が分かれていてホームを取り囲むようになっている)しか電車が出ていないため、完全に赤電だと確定してしまう。
 にも関わらず『静岡県の私鉄』という曖昧な言い方をしたのは妙である。
 実際、まるで赤電ではないかのような描写がある。
 一つは『いつも通勤に使っている電車なのですが先ほどから20分くらい駅に停まりません いつもは5分か長くても7,8分で停車するのですが停まりません』というところ。
 実は検証のために赤電に乗ってきたのだが、各駅の間はせいぜい二分で、短いと一分半ぐらいでついてしまうのだ。終点西鹿島の方までいくともう少し長くなるにしろ、長くて7,8分というのはちょっとありえない。通勤で使っているのに、ここまで大きく時間を間違えるだろうか?
 また『特急とか各停とかの違いじゃないの?』という指摘に対して『ご指摘どおりに乗り間違えた可能性もあるかもしれませんね』と答えてしまっているのが怪しい。だってそもそも特急も各停もないんだもの。一本しかない鉄道を乗り間違えることはない。

 では、なぜこのような実際の赤電との食い違いが生じるのか。
 これが創作だからである。考えてみれば当たり前だ。
 実際に乗ったことがなければ、ここまで詳しいことは分からない。

 そもそも、『きさらぎ駅』に登場した電車の条件に赤電が中途半端ながら絶妙にマッチしてしまったのが、作者の想定外だったのではないだろうか。
 浜松はある程度大きな町ではある。だから私鉄の電車もいくつか出ているに違いない、と勝手に思ったのかもしれない。しかしここは都会ではないので、地下鉄も鉄道もあまり発達していない。通勤で赤電が使われることはあるが、市民の足はどちらかというと遠鉄バスや車だ。

 新浜松とか静岡とかいう固有名詞を軽々しく出してしまったせいで、逆にリアリティを失ってしまったのは皮肉である。

 誤解を招きそうなのでここで少し弁明しておくが、私は2chにおける釣りスレや創作に対して否定的ではない。むしろ面白ければいいじゃないかとも思っている。
 『きさらぎ駅』は不安をあおる描写とかホラーという点では素晴らしかったと評価したい。
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