「表現規制のプロット。異世界へ転生してチートします。けしてつながることのない二つの筋書きがこれでつながった」
高校生、“ 貴崎伸一 ”は、小説投稿サイト「小説家になるもん」で“ 佐川方 ”としてネット小説を執筆していた。彼の書いた小説が出版社の目にとまり、本にしたいという連絡を受けて、作家になれると喜んでいた。
同時期、JC(女子中学生)地下鉄ホーム飛び込み事件が発生した。JCはケータイで『異世界へ転生してチートします』とメールに残し、電車に飛び込み、死亡した。
世間はそのメールから異世界転生をテーマにしたネット小説に触発されて自殺したと認識し、あらゆるネット小説を表現規制すべきだと口にする。自殺を唆した原因と言われるそのネット小説こそ、貴崎伸一の書いたネット小説、『暗号師の情報書換(エニグマ・チート)』であった。
高校生の書いたネット小説が原因で女子中学生は自殺し、「異世界」「転生」「チート」「ハーレム」というワードを使ったネット小説は表現規制となる世界を描いた“ 表現規制ミステリー ”。
『暗号師の情報書換』によって、作者の貴崎伸一だけでなく、ツンデレ幼なじみの“ 白井ユリ ”、クールを装う委員長の“ 駒田理央 ”、そして、不思議さんの“ 柊あやめ ”の三人を巻き込んでいく。
虚構と現実を線引きした時、見えなかった糸口が見えてくる。
はたして、表現規制と「異世界へ転生してチートします」の関連性はあるのだろうか?
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モノを書く"表現"をテーマにした物語。小説を書くヒトが思う、モノを書くことの怖さ、と、それを受け入れてもらえるかどうかの不安、を、描いた作品です。
異質な始まり方をしており、内容もネット小説を舞台にしているために、好き嫌いが出てくる作品だと思います。もし、これは読むのがキツいと思った方が居られましたら改善致しますので感想などをお待ちします。
ミステリー要素もありますので、事件の裏側を推理しながら読むと、物語がもっと楽しめます。
リンクはフリー、面白い作品をお届けします。
今までありがとうございました。
次の章を以って、この小説も終わりになります。
しかし、プロットというのは卑怯な存在であり、結末をつけるために、あらぬ“最期”を仕掛けてきます。