どんなに不利な裁判でも勝訴に導くと定評のある敏腕弁護士、村松泰成は昨年からある悩みに付きまとわれている。
かつて裁判で弁護した男たちが、『夢や記憶』に何度も登場し、脳裏から離れないのだ。
優秀な医師や心理学に精通した大学教授でも原因を特定出来ず、不安を払拭出来ない村松泰成は、意を決して友人である佐久間に悩みを打ち明け、自分に何かあった場合には警視庁捜査第一課にて捜査して欲しい旨を依頼したのだ。
そして、その悩みは本当の『殺人事件』へと発展し、関係者たちを次々と巻き込んでいく。
警視庁の管轄外で起こる連続殺人。捜査権限がない警視庁はどうすることも出来ない。だが、佐久間は思わぬやり方で、捜査介入していくのである。
常に村松弁護士の影が見え隠れする中、村松弁護士と佐久間の関係が、少しずつ、静岡県警察本部と警視庁の軋轢を生じさせていく。
村松弁護士は潔白なのか、それとも犯人なのか?
『記憶殺人』の真相を解明し、佐久間は連続殺人を食い止める事が出来るのか?