ある時、異世界への扉が開いた。
その条件。
引き籠もりのまま30歳まで童貞を貫き、さらに30歳以降もニートを続けているとその扉は現れると言う。
ただし、極限まで困り果てた親の前にだが。
各地に発現する扉と、シンクロニシティ的にそれを使いこなす親達。
「あんた、日頃から異世界なら真人間になれるって豪語してるじゃないの、もう母さん面倒みきれないわ」
おおよそこんな感じで扉の向こうへ放り出される大量のニート達。
どこへ通じているのかも分からないその扉は、成人をとっくに過ぎても何もしない穀潰しに疲労困憊の親から『Negletc Gate』――――ニゲートと呼ばれ、とても重宝された。
親子逆転した現代の姥捨て山と化したニゲートの先。そこが天国か地獄か、送られたニート本人しか知る術はない。