高校球児達の熱い夏が今年も始まった。新聞で特集されていた高校野球県大会のトーナメントとメンバー表を眺めていた私は、強豪校の登録メンバーに懐かしい名前を見つける。
『川嶋陽』――私の小学校の頃の友達だ。
シード校である陽の学校と私の学校は2回戦で対戦することになる。当時毎日のように遊んでいた私達だけれども、小学校卒業以来会っていなかった。
私は自分の高校の応援に行くけれども、運良く彼に会えたら良いなという期待を抱きつつ、真夏の球場へと向かう。
夏の日の、野球場で繋がるかすかな縁と再会と恋の始まる瞬間のお話