神代恵(かみしろけい)はとある企業の御曹司「だった。」
幼少の頃より、親から仕事のストレスに対するはけ口にされていた恵は、精神的にも肉体的にも限界に来ていた。このままでは自我が崩壊してしまうと判断した執事が、恵を守るために、一人の女性と共にこっそりと恵を逃がした。恵も、執事からの提案を聞いて、即座に実行した。後悔はなにもない。そう、小さい頃から仲が良かった妹に、何も言わないで出てきたことを除いて・・・。
女性の名は野崎明(のざきあかり)。学生兼暴走族である。
明は、恵を逃がしてくれた執事の姪であり、執事から恵の事情を聞いていたため、快く協力をしてくれた。
恵は先ほどの事情から学校へはいけないため、バイトをして日々の糧を得ながら、時折明の暴走行為に参加していた。
―――本編は、恵が明の家に転がり込んでから一年とちょっとが経過した時点から開始する―――