迷宮樹と呼ばれる巨大な樹のふもとで、地下に広がるダンジョンと共に栄える街ファルリーレ。
冒険者を中心として生活が営まれるその街で、合成術師のルトは自分の店を構えて貧乏ながらも穏やかな日々を過ごしていた。
レシピ通りにしか物を生み出せない普通の合成術師とは違い、使用した素材を元にランダムで物を生み出すことができるルトは、成人として認められる15歳の誕生日に一世一代の大合成を行う。
一年かけた貯めた資金を全てつぎ込んで挑んだ結果、ルトは精霊剣と呼ばれる人語を喋る武器の合成に成功する。
しかし自身をアルテシアと名乗るその精霊剣は、人の形を取ることができ、達人級の武技を扱えるという、一般的な精霊剣とはかけ離れた代物だった。
反則級の性能を誇る精霊剣を手にした事で、ルトはアルテシアとともに、次々と厄介ごとに巻き込まれていく。