作品一覧全28件
代表作 連載 完結済 14エピソード
恐るべき村ぐるみの陰謀! 略奪! 殺人! そして証拠隠滅! これこそが、貧困にあえいだ時代、日本沿岸部で頻繁に行われていた『瀬取り』の実態だった! まさか廻船・福徳丸が、その罠に嵌ろうとは……! 時は江戸時代初期、寛永20(1643)年、大飢饉が日本各地に暗い影を落としていた晩秋のこと。 大坂を発ち、江戸へ生活物資を届ける福徳丸での船旅だった。ぶじ積み荷をおろし終え、その帰り道。 船旅は途中まで穏やかだったのに、突如としてイナサ(東南からの悪風)が吹き荒れ、大時化に揉まれる。 命からがら嵐を乗り切ったと思ったら、今度は一転ベタ凪となり、靄に包まれた。 ましてやどこからともなく琵琶の弾き語りが聞こえ出し、船頭である彦兵衛は心奪われ、船はあらぬ方角へと導かれる始末。 福徳丸が進むがまま身をゆだねていると、靄の向こうに救いの火を発見する。いくつもの炎が彼方に揺らいでいるのだ。 あれこそ人家がある陸にちがいない。そう信じて舳先を向けたのだが……。 そしてついに、船乗りたちは驚愕の真実を目撃する――伊良湖岬に広がる浜辺の光景を。そこはまさに地獄の漁場だったのだ。 さながら餓鬼じみた村人たちが、容赦なく難破船に群がり、積み荷を奪おうとする……。 ※本作は夏のホラー2023企画作です。テーマは『帰り道』。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 ※本作には現代の社会通念および人権問題に鑑みても、差別的、不適切な表現や語句が含まれております。 ※参考文献 『日本残酷物語1 貧しき人々のむれ』宮本常一 平凡社ライブラリーその他
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年08月11日
シリアス 男主人公 職業もの 冒険 伝奇 史実 時代小説 天災 夏のホラー2023 江戸時代 人怖 理不尽な暴力 カーゴカルト 奇想天外 吉村昭 読了時間:約93分(46,066文字)
連載 完結済 5エピソード
湾岸エリアの高級タワーマンション最上階に、雲雀(ひばり)は幽閉されたも同然だった。 というのも人気ホスト、裳玲(もれい)に惚れ込み、結婚して早3年と5カ月。 しかしながら、夫婦関係は冷え切っていた。 梅雨に入り、例年にないこの異常な長雨がいけないのだ。 陰鬱な雨は人の心まで荒廃させる。 ことあるごとに潔癖症の夫から罵倒され、雲雀のストレスは最高潮に達していた。そのたびに陰湿なやり方で仕返ししてきたが、ついに殺害を計画。 かくなるうえは裳玲を殺してでも、このマンションから巣立ちしなければならない。 雲雀は巧妙に夫の命を削っていくのだった……。 ※本作はしいな ここみさま主催『梅雨のじめじめ企画』参加作品です。 ※微グロとバイオレンスあり(*^-^*)
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年06月14日
ネトコン13 シリアス 女主人公 現代 職業もの 日常 梅雨のじめじめ企画 グロキモ 読了時間:約32分(15,844文字)
連載 完結済 5エピソード
本作は、谷川健一の著書に書かれていた、とあるエピソードに着想を得ている。 「殯(もがり)のときに、死者の復活を願う光景は早くから見られた。伊波普猷(いはふゆう・那覇市出身の民俗学者・言語学者)によると、沖縄本島の津堅島では、人が死ぬと後生山と称する藪の中に放ったが、屍が腐爛して臭気が出るまでは、その家族や親戚朋友たちが、毎日訪れて、死人の顔をのぞいて帰った。死人が若者であった場合は、生前の遊び仲間の青年男女が毎晩のように酒肴や楽器をたずさえて訪れ、思う存分踊り狂ったという。」 ※後半にショッキングなシーンがあります。メンタルの弱い方は注意。グロ度★★★★★ ※本作はコロンさま主催『酒祭り』企画の参加作品です。締切最終日の投稿にして、とんでもなく空気の読めない一作となっております。
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2025年05月11日
昭和 群像劇 酒祭り 民俗学 島ネタ ネトコン13感想 読了時間:約30分(14,662文字)
連載 完結済 5エピソード
地元の山中に、明治36年から操業している三重県最古の水力発電所がある。その横をすぎて山の中腹まで登れば、ハイキングするにはもってこいの遊歩道となっているのだ。 その道を奥へ分け入れば、天然記念物に指定された甌穴――ポットホールがある。僕は時折、リュックサックを背負って、そこへ遊びに行くことがある。 しかし地元の人は、そこに近寄りたがらない。 というのも70年ほど前、この深い淵で一人の少年が溺れ死んだことがあるのだ。引きあげられた死体は無惨な姿に変わり果てていたという。 小学6年の11歳の夏、同級生と4人で、この甌穴を見に出かけたことがある。 道中、脅かすつもりじゃなかったが、死人が引きあげられた話をしてやると、3人とも顔色をなくした。 それでも少年たちは臆病風に吹かれることなく、甌穴を目の当たりにした。それは恐るべき深さの不気味な淵だった……。 大人になった僕は、今日もたった独りでやってきた。まるでパワースポット巡りで霊力を授かりに来たかのように。 ※本作品は、しいな ここみさん主催『純文学ってなんだ? 企画』の参加作品です。
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純文学[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年06月29日
私小説 純文学企画 24自主企画 地質学 読了時間:約26分(12,864文字)
連載 完結済 9エピソード
ブラック企業の営業部の中堅社員である隠田 智也は、アフリカへの出向辞令を言い渡された。 いざ日本を発つ日が来た。 ところがフライトの途中、機体は予想外の乱気流に巻き込まれ、制御不能となり海に墜落。 隠田は破壊された機内から命からがら脱出する……。 どうにか絶海の孤島に流れ着いた彼は、助けが来るまでその無人島でサバイバル生活を強いられる。 さすがブラック企業の社畜サラリーマンである。いかな酷い環境であろうとも不平不満も訴えず、自らの力で生活基盤を整えていく。 追い込み漁による魚介の獲得をはじめ、ツリーハウス上の小屋の建築、焼き畑農業、灌漑工事、刳り舟の製作、島のあらゆる場所に通じる道の整備と、大事業が続く。 極めつけはせっかく刳り舟が完成したというのに、島からの脱出を先延ばしにし、トンネル掘りをすることだった……。
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ヒューマンドラマ[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年06月22日
ネトコン12 シリアス 男主人公 現代 チート 冒険 グルメ 島ネタ サバイバル ユートピア 読了時間:約43分(21,466文字)
連載 完結済 6エピソード
おれは株式会社サボテン・タクシーに勤める勤続16年のドライバーだ。兵庫県赤穂市を営業区域にしている。 雨が本格的に降り出した夕方、無線連絡が入る。近くの無人駅で、配車を希望する客が待っているという。 おれはその客――サイトウ氏を拾った。これが念願の長距離指定の上客、いわゆる【万太郎】で、内心大喜びする。 タクシーの世界には、客に内緒で使っている業界用語がある。万のお金を落としてくれる【お化け】をはじめ、【ゾンビ】、【ブツブツ霊】、危険な【20】など……。 ところが、サイトウ氏と会話を重ねるうちに事態はおかしな方向に捻じれていく。 氏いわく、宇宙人を意味する【00】なる隠語までがあるというのだ。 まさか、本当に【00】を拾っちまうなんて……。 ※本作品は、しいな ここみさん主催『宇宙人企画』の参加作品です。
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2024年05月05日
男主人公 人外 現代 職業もの 日常 エイリアン 宇宙人企画 24自主企画 業界用語 読了時間:約32分(15,961文字)
連載 完結済 7エピソード
女性の写真集にはありがちなケースかもしれない。 写真によって、同一人物かと疑うほど、別人のようなテイストを感じるときがある。 長野の戸隠高原のキャンプ場に来ていた山県と保阪。 最近、保阪はふさぎ込んでいた。2週間前、購入した女優、見座リツコの写真集を見てから違和感を憶え、まるで自分の足元が崩れていくようだと不安を訴えるのだ。 山県は、その写真集を自分の眼で確かめる。 なるほど、保阪の言うことも頷ける。写真集特有の振れ幅の大きさは否めず、どれが本来の見座 リツコの容姿であったか、混乱してしまうほど。 よくよく考えてみれば、二人は女優、見座について詳しいことを知らない。というか、見座についての記憶があやふやなのだ。まるで脳をまさぐられ、なんらかの施術を受けたかのように……。 見座 リツコについて、スマホを使って情報収集を行うことにした。 SNSやネットニュースではよからぬゴシップであふれ、得体の知れない怪情報が次々と明るみに出る。 二人は点と点をつなぎ、見座が何者なのか議論を交わした。――そして、とんでもない結論にたどり着くのだった。 実は見座 リツコこそ、地球外からやってきた侵略者、あるいは植物型のミュータントではないか? ネットの世界では、見座にまつわる怪情報が出回っているにもかかわらず、なぜ大事にならないのか? よもや、それすら『なかったことに』できる力で、操作されているとしたら? 山県と保阪は地球の存亡を賭けて、見座の侵略に対抗すべく知恵を絞っているときだった……。 ※本作は家紋 武範さま主催「夕焼け企画」参加作品です。
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パニック[SF] R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年11月08日
日常 サスペンス スプラッタ サイコホラー エイリアン ディストピア 侵略 自己喪失 神経症 疑心暗鬼 脳科学 夕焼け企画 読了時間:約43分(21,336文字)
連載 完結済 7エピソード
舞台は近畿地方のN県T村武蔵地区。都内で不慮の死を遂げた姉、奈桜の葬儀を執り行った。 書置きに残された彼女のたっての願いで、武蔵地区の共同墓地に土葬することになったのだ。 墓穴に寝棺をおろすと、あとは土をかぶせ、埋めるだけだと、妹の沙月は思っていた。 ところが一人の高齢男性が前に進み出、ライフル銃をかまえたから驚かずにはいられない。 なんと、いきなり墓穴めがけ発砲――。 都内で暮らす沙月には、はじめての土葬と、やたらと死者を甦らせない作法やら儀礼に戸惑うばかり。 それほど呪術を張り巡らせたにもかかわらず、埋葬したはずの奈桜は死霊となって甦り、都内まで帰ってきてしまったのだ。 家族はそれと対峙する。そして帰ってきたことについて問いただすのだった……。 ※本作は夏のホラー2023企画作です。テーマは『帰り道』。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。 ※腐乱死体の、かなりグロテスクな描写があります。グロ度★★★★★
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ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2023年08月24日
日常 ホームドラマ スプラッタ 夏のホラー2023 民俗学 胸糞 機能不全家族 読了時間:約41分(20,233文字)
連載 完結済 7エピソード
やんごとなき名家の孫娘である忍海 奏(おしみ かなで)は何不自由なく育ってきた。 1週間後に、祖父が主催する茶事を開くことになっていた。祖父の道楽で、忍海邸の庭内に特別な庵を作ってあるほどだ。 友だちの、益子と葵を誘い――スペシャルゲストとして、セレブのキャサリン・羽生田まで招待するのだという。 奏は、益子と葵と久しぶりに再会し、会話に花が咲くが、葵から下世話な話を聞かされる。 奏にべったり寄り添っている家政婦、大地 みよ子こそ謎に包まれているのだと。 あの家政婦は常に奏のそばに、忠実な影のように、時には物言わぬ隣人のように寄り添っているのはなぜか? 彼女は何者なのか、推理しようと提案する。 しかしながら、レディたちがいくら知恵を絞ろうと、これといった答えは思い浮かばない。 そんなこんなで、1週間がすぎ、いざ茶事がはじまる。 いくら気心の知れた仲間内とはいえ、お茶の最中の失敗は許されない。 ましてやキャサリン・羽生田は女魯山人と評されるほどの、いくつもの肩書を持つテレビでも引っ張りだこの文化人。キャサリンはこの会に取材がてら参加しており、アメリカに帰ったらエッセイを執筆するという。 なのに、よりによって肝心なお茶の席で、奏はむしょうに屁をひりたい衝動にかられるのだった……。
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推理[文芸] R15
最終更新日:2023年03月25日
ホームドラマ サスペンス 春の推理2023 職業もの お嬢さま 読了時間:約42分(20,655文字)
連載 完結済 17エピソード
三村 大知は『妣島(ははじま)サバイバル研修集団失踪事件』で30年ぶりに生還した1人だった。 政府機関に隔離され、2カ月にも及ぶのあらゆる検査を終え、ようやくこちら側に還ってきたというのに、心は曇ったままだ。 かつての恋人、波多 真智子をドライブに連れ出し、悩みをぶつけることにする。 真智子もまた、妣島でなにがあったのか母親のように問いかけるのだが、三村は子どもっぽくはぐらかすしかない。 カーラジオから流れてきた音楽番組『大泉 仁志のミュージックG-LOC』でさえ、この集団失踪事件のことについて、あれこれ憶測で発言するほど、世間をにぎわせていた。 ディスクジョッキーたちの無責任なトークに苛立ちを憶えた三村は、ラジオ局に抗議の電話をかける。 応対したディレクターは、むしろ番組人気に火がつくと思い、三村に出演の交渉をする。 そして生放送中、三村はスペシャルゲストとしてスタジオに飛び入り参加。ついに政府にも洩らさなかった集団失踪事件での真相を語りはじめる……。 「――まるでトラバサミに挟まれたも同然だった。おれたちは罠にかかったんだ」 三村たちは浦島太郎と同じく、異界へ行き、手厚いもてなしを受けたという。乙姫のような美女との契りまで交わしてしまった。 しかしそれは超えてはいけない一線だった。彼らは罰を受けたのだと告白するのだった……。 奇想天外な現代の龍宮城とは何か? そして謎の腰蓑姿の美女たちの狙いとは? ※本作は夏のホラー2022企画作です。テーマは『ラジオ』。 ※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
作品情報
ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2022年08月13日
年の差 伝奇 ミステリー ディストピア シリアス パラレルワールド 夏のホラー2022 自己喪失 民俗学 島ネタ 奇想天外 読了時間:約106分(52,858文字)
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