この世に数多の名剣、宝剣はあれど、かの名工━━アルバート・シュミットの遺した100本の魔剣には遠く及ばない。
それは時にあらゆるものを両断し。それは時に悉くを焼却し。それは時に闇を切り裂く。まさに魔剣と呼ぶに相応しい力を宿していた。
アルバートの死後300年。半ば伝説として語られる魔剣の存在。その全ての行方は杳として知れず。しかして、数少ない所有者は魔剣使いとして名を馳せた。
━━今より10年前。黒き魔剣の使い手により、ヴィクトールの故郷は一夜にして滅ぼされた。生き残ったのはヴィクトールただ一人。
やがて15歳となったヴィクトールは魔剣使いの手がかりを求めて、世界中から魔道の知識が集う王立魔導学園に入学する。
そこで耳にしたのは、黒い聖剣を使う勇者の話だった。