作品一覧全2件
代表作 短編
一本の万年筆をきっかけに、現在と三十五年前の男女の思いを繋ぐ物語。  主人公の舞衣は、勤めていた会社の人間関係に悩んでいた。みぞれが降るような寒い夜に、舞衣は街をあてもなく歩いているとある万年筆屋が目に入った。  特に万年筆にこだわりのあった訳ではなかった舞衣だが、その店に並べられたインクの様々な色に心を奪われた。  その美しい色のインク瓶を外の窓から見ていた舞衣は、その店の主人の三島宗介に『中に入ってご覧ください』と誘われ、店の中に入っていった。そのインクを見ているうちに不思議と心が落ち着き、舞衣は『ここで働かせて下さい』と主人に頼んだ。 今、勤めていた会社には、既に自分の居場所がないと感じていた舞衣は、宗介が躊躇するも、半ば押しかけるようにして、その店に置いてもらい働き出した。  その店では、宗介の親友の盛岡定道。インクを集めるのが趣味の前田碧。大学教授の田村慎一。妻に先立たれ、供養として毎日手紙を書き続ける中村靖夫など様々な人生を送る面々がお客としてやってきた。  その人たちの姿を見たり、聞いたりしながら、舞衣の成長する姿を描く。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2022年10月15日
日常 青春 ほのぼの 女主人公 現代 万年筆 インク 文房具 レトロ 読了時間:約129分(64,230文字)
短編
蛍が灯す光は、不思議と人の心を癒すものだ。 この夏に成虫となった蛍のアカリ達は、神から与えられた仕事が二つあった。一つは自分たちの命を次の世代継ぐこと。もう一つは人間たちの心を癒すことだった。 アカリは、2日先に生まれた先輩のレナと一緒に、蛍を見に来るそれぞれ4組の男女の悩みや心の中の葛藤聞きながら、それらの人々に心の癒しを与えていく。 1組目は高校生のカップル。2組目は結婚を前提にした30歳前後の教師と県庁職員のカップル。3組目は倒産寸前の町の自動車工場の夫婦。4組は夫が銀行に勤める夫婦である。 4組の男女の物語はそれぞれ短編となっており、それぞれ世代や職業や立場の違いなどから違う悩みを持っているが、それぞれが微妙に絡みあっている。 そしてそれぞれの主人公は、日々の困難に向き合いながらも、自分にとって何が大切なものかを、蛍のアカリやレナ達に励まされながら探し出していく。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
最終更新日:2017年05月07日
日常 青春 蛍 恋愛 ほのぼの 男主人公 女主人公 和風 現代 パラレルワールド 人外 読了時間:約88分(43,904文字)