1000年前、全世界規模の大洪水、地殻変動によって大陸、島々の多くが海中に没した。
しかし、後に「大激変」と呼ばれるこの悲劇から人々を救い出した24隻の特殊な船が存在した。これらは、古代の物語に出てくる、大洪水から人々を救い出した船にちなんで、「方舟」と呼ばれた。
方舟は突然現れ、迷うことなく、人々を救った。
方舟が乗せることのできた人々は、ほんの僅かではあったが、大水が引き、陸が姿を現し始めた後、方舟は人々を世界各地に下ろし、姿を消した。
しかし、世界は激変していた。大陸は消え、世界はほとんどが海となり、大小様々な島々が点在するようになった。
方舟に救われた人々は、より広い陸地を求めて争い、多くが死んだ。また、争いに敗れた人々は、大小様々な船で世界各地に散った。そして、さらに多くの争いを経て、世界には大小様々なコミュニティが作られ、現在に至る。
姿を消した24隻の方舟の多くが、1000年という時を経る中で発見され、現在世界の三大コミュニティに所有されている、と言われている。しかし、「方舟サクラ」は、どこのコミュニティにも属さず、世界を股にかけ、各コミュニティ間を行き交い、輸送ビジネスを行っている。
青年渉は、記憶を失った状態でカモガワコミュニティの漁師の親方に拾われ、働かされていた。しかし、ビジネスのために寄港していた方舟サクラの船員畠山貴洋の娘、凛を人さらいから救ったことから、方舟サクラに乗り込み、畠山家に居候することになる。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2020年04月06日
古典恋愛 オリジナル戦記 青春 冒険 ディストピア
読了時間:約16分(7,875文字)