百年前、例の「転移事件」により、一部の人間は霊力が目覚め、その中に霊力の強い人々が霊能者一族という秘密組織を作り出した。
霊能者一族に生まれた僕―― 二宮 朔夜(にのみや さくや)は、霊力が一切なく、常にいじめられ、屈辱を受け続けていた…。
ある日。母が急に行方不明となり、内情を知った父は何も教えてくれなかった。そこで、一族に捨てられた僕は歪んだ家から逃げ出した。身の置き所がなくなり、一人でスラム街に隠れ、街を彷徨って居場所を求めることになってしまった。
あれからおよそ一年――
借りた狭いアパートに住んでいる僕は、ある日ドアを開けたら…
「兄、さん?」
突然一人の少女が訪れた。
確か、僕には妹がいないはずだが…。