季節が閉じた町があった。
数年前から続いてる降雪量の減少、冬の雪景色を観光資源としているこの町にとって、それは由々しき事態であった。
そして現在、少し前まではパラついていた雪も、もはやどこかに消えてしまった。
冬が訪れないだけなら、まだ色々と説明がついただろう。
---夏のような気温のまま、一年通してずっと。
様々な専門家が調べ続けているが、その成果はまだ出ないままだ。
この町の役所の観光課で働く男、上井直也(かみい なおや)は、上司からの指示で独自にこの事象を調べることとなる。
ミステリー 夏 オカルト
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