平凡な一主婦が癌に罹患し、人生の最後に守りたいと願ったこと。
がんに侵された彼女は、人生の残り時間を孫と楽しく過ごす時間を第一と考えた。読み聞かせをしながら、祖母は孫と言うDNAへ、自分の存在を刻み付けるのだろう。世代を越え脈々と愛を連鎖して、温かな家族の愛情をつなぐのだろう。
家族を守り育むのが女性の役目だと信じて生きてきた彼女は「主婦」という職業を全うしたのではないかと、真摯に向き合ったのではないかと思う。
一つの道を歩み続けた人は、道を究めた人は、ゆるぎなく強い。尊敬に値する。私はそう思うのです。
なかでも親業って、究めれば深い深いものですよね。昨今は忙しさに紛れ、ないがしろにされがちになっていることが、少し悲しいなと感じてしまいます。