金城奏斗は、少々正義感が強いただの少年である。困っている人を見れば手助けに走るし、喧嘩を見かければ仲裁に入る。時に偽善と言われるけれど、それでも見過ごすことのできないただの少年だ。そんな金城奏斗に周囲の人は様々な評価をする。偽善者。自己満足。優しい人。真っ直ぐな人。良い評価も悪い評価も金城奏斗は気にしない。ただ自分がしたいから人助けをしているだけなのだ。けれど、その正義感は幼稚なものでもあった。例え善意だとしても、いいや善意だからこそ、それを向けられた人の気持ちを金城奏斗は理解していなかった。
そんなとき、クラスに一人の転校性がやってくる。どこか不思議な転校生を、金城奏斗は気になって仕方がなかった。けれど、平穏だと思っていた日常は転校生の存在により崩れ去っていってしまう。
ある時転校生である彼女は言った。
「私ね、予見できるの」
起こる騒動は彼女が引き起こしたものなのか?一時は転校生に疑念を抱いてしまうこともあった。けれど起こった騒動はただの偶然の結果なのだ。時に偶然であり、時に今までの行為の結果でしかない。
次々に金城奏斗の身に降りかかる騒動。危機に陥った時に必ずと言っていいほどその場にいる転校生。
彼女は一体何者なのか。いったい何を知っているというのか。
一人。独り。ひとり。
どの「ひとり」?本当に「ひとりだけ」なのは、いったいだぁれだ。
作品情報
ヒューマンドラマ[文芸]
残酷な描写あり
最終更新日:2020年06月09日
日常 青春 逆行転生 サスペンス 学校 逆行 ループ 高校生 双子 死
読了時間:約24分(11,971文字)