高校二年生の立花佐智。彼女は中学時代からバスケットボール部の活動をしていた活発な女の子。しかし、大きな交通事故に巻き込まれて下半身がマヒとなり、車椅子での生活と学校生活を余儀なくされていた。それでも持ち前の明るさと根性でバスケットボール部のマネージャーとしてクラブに復活し、明るく力強く生きようとしていた。
彼女を温かく見守る母親をはじめ、大親友の山崎綾香やクラブ顧問の城島先生とともに日々、外面的には充実したものとなっていたはずだった。
泉康平という、地域でも有名な不良との出会いは、ある日突然やってくる。ほとんど学校にも来ない訳有りの彼と出会ったのは、城島先生に呼ばれて体育教官室に向かう昼休みの時間だった。顔もはっきりとは覚えていないクラスメートに出会い、ひょんなことから話をし、車椅子を押してもらったサチ。そこで初めて彼女の心の中に、本物の気遣いを持つ彼の生きざまを見、感動を覚える。しかし彼には退学もやむなしの状況が待っていたのだった。サチと友人の綾香、そして彼の本質の優しさを見抜いていた城島先生とともに退学から彼を救うべく行動を起こす。
校長室に呼ばれ、そこで城島がとった行動。それは中途半端と妥協を許さない、人間としての正しさを追求した教育の姿だった。感銘を受けたサチも、彼を心の底から救いたいという気持ちになり投げやりになっている泉の頬を打つ。その後花壇の前で、二人で話をすることになったサチと泉。
自分自身に正直になりなさいと母から言われていた言葉通り、サチは泉に率直な恋心を打ち明ける。心の傷を隠しながら生きてきた二人の出会いは、そのまま心の絆として結びつき、夕日の中で二人の新しい人生の幕が切って落とされた。