歴史上で何度目かの大戦があり、それによって得られたものは、平和を目指す何かなのか、それとは逆の何かなのか。

　人の生を考え、双方の考えをも同時に考え、執筆した作品です。

　生活に困った青年が、神様に助けを求める。 　そうして、神様から得た言葉は？

　生活能力ゼロのお嬢様、柊月日と、住まいを失った貧乏学生、片梨栄光が、ひょんな事から時代錯誤の豪邸で共同生活をする事態に。栄光の幼なじみで三度の飯より人のスキャンダルが好物の峯福鈴や、一人前の使用人を目指す春一番も加わる中、月日と栄光の高校生最後の半年はどうなるのか……。

　この街にはふたつの森がある。 　幼い頃に失踪した少女が再び姿を見せた時、それらの森は彼女を中心に在り方を変えていく。妖精と、妖精に魅入られた者達は邂逅し、その果てで少女を待つものは……。

　西暦２１９９年。 　陸地消失から一世紀の節目となる、記念すべき年。 　少年は少女と出会う。

　十年前、突如として崩壊、消滅をした六本木は、現在は閉鎖区域と名を変えて存在している。何者も立ち入る事の許されない閉鎖区域。その中で、物語は始まる。 　今、無情な運命の歯車が回り出し、抗いようのない力で相澤瑞希を動乱の渦中へ引き込んでゆく。 　六本木崩壊。 　カテドラル。 　最初のひとり。 　複雑に絡まり合う日常と非日常が交わる瞬間に瑞希を待っているのは……。

　貿易都市ウィルジャーノ。その街を語る時、何時も言葉は過去形となる。今や、そこに過去の繁栄も栄光も見る事は出来ない。 　そんなウィルジャーノで、今物語は始まろうとしていた……。