昔々、そのまた昔のことさ。
まだこの大陸に、魔獣がひしめき合い、名前がなかったころの話。
どんな困難に行き当たっても決して折れず、常に弱者の味方として、王国を救った少女の輝かしき英雄譚。
そう、今や誰もが認める、“蒼の聖女”ゴルドカレル。
優しく、正しく、清らかな……。
ん?
そんな有名な話、今さら聴きたくないって?
うーむ……。
……ならば。
そんな聖女さまへと常に寄り添い、その支えとなった使い魔。
魔獣でありながら、最後の最期まで、聖女さまと共にあった真なる忠臣。
“魔断”のカンナの話なんかどうだろう?
おお、聴いてくれるか、ありがたい。
あ、おひねりはそこに置いといてね。
……ん、じゃあ始めようか。
それはね――。
大幅に改稿しました。
今後ともよろしくお願いします。