3月下旬。一枚の手紙が届く。それに従って少年が向かった先には城が建っていた。日本にこんなのあったのか、と思う洋城。眺めていると中からメイドの格好をした女性が現れた。入ってすぐのスペースにはざっと一クラス組めるかなという人数の同世代の少年少女。その中の一人の少女が言った。「もしもいま、世界が終わるなら」
とある少女は夜、昼入ってきたはずの扉が開かないことに気付く。当然のように、あてがわれた一室に宿泊した少年は翌朝、廊下に続く血痕を見つける。血痕の先にあるものを見た少女は崩れ落ちた。
昨日のメイドが現れ、手早くそれを片づける。そして彼女はそこにあらわれた小柄で傲慢な少女を「神」と称した。
「ここにいれば、少なくとも飢えることはない。命の危険にさらされる?知ったことか、貴様らの能力はなんのためにある。さあ、吾を楽しませてくれんか」
望みどおりの、思い通りの世界、なにももう憂うことはなかったはずだったのに
「楽園」へようこそ。
異能力バトル 現代 群像劇
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