作品一覧全3件
短編
777段の階段を上ると、そこには鳴らすと永遠の幸せが訪れるという鐘があるらしい。 パチスロに溺れた俺には丁度いい。いっちょ上って鳴らしてきてやろうじゃねぇか。 ※この作品は「モノガタリードットコム」にも掲載しています。
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ローファンタジー[ファンタジー]
最終更新日:2020年05月24日
男主人公 現代 幸福 幸せ 鐘 永遠 777 パチスロ 階段 死 仕事 社会 人生 絶望 希望 読了時間:約5分(2,023文字)
短編
 日本に上陸した非常に強い感染力を持つウイルスの拡大が影響し、僕たちの卒業式は卒業生と教職員のみで行われる小規模での実施を余儀なくされた。  卒業生代表、佐藤恵(さとうめぐみ)は卒業式前最後の登校日の放課後、どうしようもないこの事態に嘆き泣きじゃくったが、僕らにはどうしようもない問題だ。  「卒業式って舞台で……卒業生代表って立場で……私、立派になったんだよって。もう心配いらないよって……。堂々と笑顔を見せてあげたかった……」  彼女の願いが叶うことはない。ただの高校生である僕たちは、あまりに無力だ。それでも——彼女は決して諦めなかった。送辞が読まれなくたって、僕らの卒業を心から祝う気持ちは確かにそこにあるから——彼女は壇上に立って、答辞を読み始めた。  「送辞もないのに答辞かよ」——そんな言葉を背に受けながら。
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現実世界[恋愛]
最終更新日:2020年03月04日
スクールラブ 青春 学園 現代 卒業 卒業式 送辞 答辞 恋愛 別れ ハッピーエンド 現実 学校 高校 涙 読了時間:約27分(13,272文字)
短編
 今年で45歳になる私は、雪の降るある日の公園で少女からチョコレートを受け取った。  そういえば今日は2月14日——バレンタインデーだったか。  それにしても、なぜ少女は私のようないい歳をしたおじさんなんかにチョコレートを渡したのだろうか。  きっと、渡す相手を間違えでもしたのだろう。それに気付いて取りに戻ってくるまで、もう暫くここで待つとしよう。  ——ほら、やっぱり戻ってきた。さあ、チョコレートは返そう。 「それ、おじさんにあげたんだよ」 ……はて、それは一体、どういうことなのやら。
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純文学[文芸]
最終更新日:2020年02月13日
日常 現代 バレンタインデー チョコレート 少女 おじさん 雪 愛 冬 文学 読了時間:約10分(4,850文字)