〝千年王国〟。それは、神から与えられた〝約束された繁栄〟。
大昔の人間は、怠惰で、傲慢で、強欲で、醜かったという。
そんな人間に神は怒り、罰を下した。
天変地異が全てを破壊し、大洪水が全てを洗い流した。
まっさらになった世界で、人間は己の罪深さを思い知った。
深く恥じ入り、悔い改めることで、神に許しを乞うたのだ。
神への絶対的な遵従《じゅんじゅう》。
これと引き換えに人間は〝千年王国〟を与えられた。
千年王国に在る限り、人間は理不尽な死、病、飢え、争い……あらゆる醜いものから解放されるのだ。
全てが満たされた至高の世界を、人々は口を揃えて褒め称える。
その裏でひっそりと、姿を消した三人の叛逆者がいた。
ひとりは少女。
神と人間への反逆者として、永遠の孤独に苛まれる。
ひとりは少年。
神に単身立ち向かうも、その結末は語られない。
残るひとりは誰も知らない。
名前も、素性も、存在すらも明かされぬまま……
神が創り給うた完璧な世界。
その世界に於いて、神への叛逆は最大の禁忌。
禁忌を封じ込めた世界は、永らく完璧であり続けた。
だが、永遠に続く完璧などは存在するはずもなく。
世界に小さな穴が穿たれた時、ひとりの叛逆者が再び目を覚ます――
※この作品はカクヨム、ノベルアッププラスにも掲載しています
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
残酷な描写あり
最終更新日:2019年10月14日
身分差 ディストピア ダーク シリアス 西洋 お嬢様 神様 厨二病 ダークファンタジー ファンタジー
読了時間:約184分(91,624文字)