レーゼル帝国の少女ルイゼは、クラッセン男爵家の次期当主である。
一族が持つ特殊な能力を軍事利用されていた彼女は、兵士養成所で働くことを余儀なくされていた。
しかし、あることをきっかけに、兵士養成所からの脱走を決意する。
祖父の旧友のもとに身を寄せたルイゼは、かつての友である兄妹が同じ街に訪れていると知る。
歌劇団の花形役者である兄妹に会うべく、ルイゼは彼らの逗留先に忍びこむ。
それは、かつての過ちを正すための行為だった。
ところが、そんなことはお構いなしに、天真爛漫な兄妹はルイゼを振り回す。
だが、ルイゼも兄妹も追われる身。
束の間の平穏は儚く、追っ手はすぐそこまで迫っていた……
これは、芸術を愛でる都を舞台にした、少女の贖罪と成長の物語。
ヒストリカル 伝奇 シリアス 女主人公 西洋 近世 ハッピーエンド アイリス大賞2
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