魚の涙は、どこにも落ちない。 だから、魚が泣かないということになっている。 泣かないから悲しくない。 泣かないから苦しくない。 きっとそうだ。その通りだ。 紅白めでたく、魚が踊る。

なにも考えていない英雄は、 なにかを思いたかったのか、想いたかったのか。 もしそうであったのなら、 それは、なんだったのだろう。

曇り空、別離の席にて。 いつわりならず まこともうそも ――七変化。

「『血で薔薇は色づく』、彼女はそう言った。」 「彼女の大輪の華は、太陽をひっかいたような赤だった――。」

リハビリ雑文ですよー

生者のための冥府ならば人間性の聖俗に塗れるも当然。 だが。しかし、もし。 死者のための冥府あらば、――あぁ、ただ祈りを。 　 ……夢見る者すらなき夢でまた会えたなら。

人は鬼に。鬼は人に。 あやかしごとも、人の世のこと。

　不実な指切り肌身に貼って、迷い惑いのくるくる戻り。 　呪うも私、願うも私、自縄自縛の雪女。 　――たとえ救われざる者だとしても。

土中の世界に花が咲く。 殻を割れずに花は散る。 残るは琵琶の、音ばかり。

語ることも、語られることもなく。 ただ魂が震えた。 果てるときまで、ずっと。