作品一覧全5件
連載 9エピソード
 ――私は、誰? 数百年の時を生きる《魔導人形》、アリス・ド・カオス。彼女は過去にある人物から自身のパーツの一部である《眼》を奪われ、その苦しみに耐え続けてきた。そして現代でそんな彼女と出会う少年、渡良瀬錬磨は、友人と呼べる存在がいなく、その日もいつものようにどこかの不良を束で相手にし、一人残らず返り討ちにし、そして自宅に向い、いつの間にか自室にいた彼女と出会う。彼女はそんな彼に契約するように話を持ち掛ける。彼は初めは断固として断る。しかしその後、強烈な目眩に襲われ、ある夢を見る。その夢の中には二人の少女の姿があり、一人は見知らぬ少女で顔に手を当て、もう一人は地面に膝をつくアリスの姿だった。彼はもう一人の少女がその場から離れて行った事を確認してからアリスの傍へと駆け寄り、その姿を目撃してしまう。それは鮮血で染まる開ききった瞼ともう片方の目から涙を流す彼女の姿だった。彼はその姿を目の当たりにし、そして目醒め、例え話と確認、そして決意を固め、彼女とその、契約と称した口づけを交わし、様々な世界へ向かう事となった。その目的はただ一つ。彼女が奪われた、その《眼》を取り戻す為だ。  幾つもの世界へと足を運び、そこで彼らと出会う幾人もの刺客でる『選ばれし器を試す者』の存在とその人物達が背負う過去、その人物達との残酷な殺し合い。互いが互いの思いを胸に秘め、その旅は幾日も過ぎていき、やがて決戦の時は訪れる。  彼らが倒すべきその黒幕との一戦と、彼があの日見た夢、その全てが交差し、彼らの長い旅に終止符が打たれる。  ――ありがとうアリス。キミに出会えて、本当によかった……大好きだよ。
作品情報
ホラー[文芸] R15残酷な描写あり
最終更新日:2017年09月12日
スプラッタ 読了時間:約106分(52,523文字)
短編
 新学期が始まり、僕は楽しみの余り一時間以上早く登校してしまった。そしてそんな僕は校庭の向こうの桜の樹に背を預ける一人の少女と出会う。僕は少女に声をかけてみるがどこか無愛想で やりづらいという気持ちになり、その場から離れようとした。すると少女は僕の袖を掴みもう少しいてくれと言ってきた。僕は少女に、屋上行こうと言い、そこに向かい、その素晴らしい光景を眺めつつ、何人の友人が出来るだろうかと呟いた。すると少女は僕に、目の前にいるだろと言った。そして少女は僕に昔の友人関係についてと自身についてを語ってくれた。  そして僕達の学園生活が始まった。
作品情報
現実世界[恋愛]
最終更新日:2017年08月02日
私小説 読了時間:約4分(1,845文字)
短編
 僕はこの数年間、ある恐怖体験を続け様に味わっている。それはある一人の少女との『奇妙な出会い』だ。少女は事ある毎に離れた場所に現れ、僕を見つめていた。果たして何が目的なのか? それを訊ねた僕に、少女は見ていると言い、姿を消す。そしてある日、僕はその真実を知る。それは、その少女が過去に電車に曳き殺され、その身体を無残な姿にされたという事だった。少女は僕が同じ目に遭わないように今まで僕を見守っていてくれたのだと気づき、最後の別れを告げる。
作品情報
現実世界[恋愛] 残酷な描写あり
最終更新日:2017年08月01日
私小説 読了時間:約4分(1,630文字)
短編
 夏休みが終わるまで後一週間となり、しかしそれでも僕は特にやりたい事もなく、今日も妹と二人きりの一日となった。妹は僕を茶化しながら笑顔を向けるが、僕はそれに応じる事が出来ずにいた。そんな僕に妹は拗ね、僕のベッドを占領してしまう。仕方なく一度部屋を後にし、再び戻ってきたが、妹はまだそこにいる。妹は僕が起こそうとしてもなかなか起きてはくれない。そんな妹にやれやれと思いながらも、僕の中である感情が芽生えていた。僅かな欲情である。僕の妹の、その少女としての身体に欲情し始めていたのだ。だが僕は必死でそれを堪えた。何故なら妹は僕の本当の妹ではなく、義理の妹だったからだ。僕はそんな妹の事が本当は大好きだった。それでも僕達の関係が関係なだけに上手く接する事が出来ず、僕はもう何年も妹にきつく当たり続けていた。だからこそ、僕はそんな妹の事は傷つけたくはなかった。
作品情報
現実世界[恋愛]
最終更新日:2017年08月01日
私小説 読了時間:約4分(1,610文字)
短編
 僕の目の前には一人の少女がいた。少女は僕の手を取り、暗い森の中へと誘った。そして僕達二人が足を止めた場所、そこは白い満月が映し出す綺麗な海の見える丘だった。僕はこのひとときを過ごした後、ふと少女にある事を訊ねた。それは当たり前ながらもその少女が僕をここへ連れて来た理由だ。それに対して、少女は僕に、罪を悔やんだ事はないかと訊く。そしてその顔に被っていた狐の面を取り、その醜い顔を露わにする。少女は僕に過去の出来事と苦しみ、そして今の気持ちを訴えかけ、僕に助けて欲しいと懇願した。僕は彼女に手を出し、小指を取り合い、また出会えると約束した。
作品情報
ホラー[文芸] 残酷な描写あり
最終更新日:2017年08月01日
私小説 読了時間:約5分(2,089文字)