（元）魔法使いの孫、龍太と、現役魔法使いの音音が、突如復活した大魔王を倒すまでの、壮大そうで対して壮大じゃないかもしれない、でもやっぱりちょっぴり壮大かもしれない、そんな冒険物語である。

『俺は死神で、幼馴染は天使で……』 平凡とは呼べなくとも、それなりの日々を送っていた優木 好翔。 ——突きつけられるは、現実離れした現実。 『神がいるなら呪ってやろう。天使がいるのなら憎んでやろう。』 天使、死神、悪魔、そして神。非現実的な存在が存在を露わにした時、主人公の人生の歯車は、徐々に狂い始めて行く。 時として、これは、主人公が人間として終わり始まるその時から、それまでの人生を描いた物語である。

一見してみれば、普通の日常を送っているように見える普通の男子中学生、春夏秋冬 柚季《ひととせ ゆずき》、この物語の主人公である彼は、特徴がないことが特徴と自身でも認めているようなどこにでもいる、本当に普通の中学生だ。 しかし、一つだけ、人とは全く異なる、完全に普通とは呼べない事情を彼は抱えている。 それはタイムリープの能力。

何をするにもやる気を全く起こすことの出来ない元引きこもりアルバイト生の「廣瀬 響」は、今日もまた客や店長に怒られていた。 そんな時、一人の女子高校生が交通事故のあった現場にお供えするためのお花が売っているのか響に尋ねるのだった。 この出来事をきっかけに響は不思議な体験とともに女子高校生との出会いを機に少しずつ彼の心情も変わり始めていく……。これはそんな淡い一夏の物語。