木枯　雅人【こがらし　まさと】は死んだ。人であるところの彼は死を迎えた。 ……いや、正確には殺された。 誰に。悪魔殺しに——ある種の神に。 その後、彼は死後の世界で神と出会う。それは、それとなく、どことなく。また、そこはかとなく運命的な出会いであったりする。 ——彼は神と契りを交わした。 幼くしてこの世を去った妹を蘇らせるため。 一方、神の願いとは依頼であった。 春夏冬　雅【あきなし　みやび】。悪魔保持者であるところの彼女を救うこと。彼女の心に宿る悪魔を——殺すこと。 故に、彼は——木枯　雅人は、二度目の人生を歩む。 これは神と悪魔と人の物語。 笑えないヒロインと、お人好し主人公の、幸せな日常を求める物語である。

人生に耐え切れず自殺をした少年——小野瀬　庵は豪雨の中、異世界と思わしき場所で目覚める。 死ぬ直前に願った異世界転生。しかし、そこで待っていたのは庵の望む異世界ではなく、死が蔓延する、まさに死の世界だった。 殺さなければ死ぬ。死にたくても死にきれない。 生きることでしか許されない異世界の法則に、蒼眼の少年は何を思い、何を望むのか……。 自殺から始まる異世界生活。ここに開幕。