「おぉ、あれが勇者様か……」「やっぱり勇者様はオラみてぇな奴とはちげぇな」
「くっ…… 勇者めぇ……。 俺は勇者じゃ無いのにぃ。」
何故勇者では無い俺が勇者と呼ばれているかというと、時は少し遡る……。
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「なにいっ!?勇者が居ないだとぉ!? 」
「ハッ!しかし、勇者殿の家を捜索した結果このような置き紙が。 」
「むぅ。渡してみろ。 なになに?『こんな生活もう耐えられない。誰か代わりをやってくれ。』だとぉ!? 」
「勇者殿は既に我が国を超え隣国に…… 」
なんだと!?ならば我々が連れ戻すことができないじゃないか……。
「そのため勇者殿の代わりを誰かがやることになってしまい……。 」
「む?そんなものお主ら兵士がやれば良いではないか? 」
「王子。 申し訳ございませんが我々兵士は近々魔族との戦争があるため代わりをしている暇がなく……。 」
「なので王子に勇者の代わりをして頂きたく……。 」
そうか。確かに今は仕事が無いからなぁ。
でもめんどくさいからなぁ……。
「尚、これは王からのご命令でございます。」
なんだと……。それではやるしかないじゃないか。
「仕方ない……ならばやろう。」
「それでは王子。 早速、民に姿をお見せください。」
そして冒頭に戻る……。
「あぁ、勇者の代わりってめんどくせえなぁ。 」