タナカ　カナタ　二十六歳。 ブラック企業の社畜として寿命と身を削り、部長からは面倒くさい仕事を任され、それで毎回怒られる。それでも希望があると信じて、夜な夜な男の社交場に足を運んで必死に稼いだお金をすべてつぎ込んだダメダメ人生。 ある日、俺はある目的でコンビニの前の横断歩道を渡っている途中、道路を走る車に撥ねられ呆気なく死んだ。 突然終わった人生に未練や後悔はなく、むしろ清々して天国に行けるのが幸せだと感じた。 交通事故で死んでから、幾つか時が過ぎ、暗闇の中で意識だけが戻る。 そして次第に身体の感覚も戻り、身体を馴染ませていると、一筋の光が俺を導いた。 天国のトビラだと思い込み、変なテンションで喜びながら全力で走って光に飛び込むと、そこは天国ではなく俺の知らないセカイ。そう、異世界だった。

小さい頃、正義のヒーローに憧れていた。 その正義魂を胸に小学生の時から積極的に慈善活動を行い、特に人を助ける事が弘充にとって当たり前の事となる。 中学を卒業し、近くのごく一般的な学園へと入学。その後は仲間もといメンバーと共に個人的ボランティア活動（自称　みんなの役に立ち隊）を始め、学年が上がるとともに、入学当初から密かに願っていた部活動公認許可と部室を手に入れる。 と、同時に弘充のクラスに転校生が現れる。その子の名は戸坂璃音。 彼女とは小学四年生の時に一度出会っていたが、昔と今で殆ど面影もなく、弘充ははじめ気づいていなかった。璃音が折り紙で弘充を誘い、夕日で照らされる放課後の空教室で事実を知った。 一度離れ離れになった友との再会。そして弘充はこれを機会に璃音を部活に招待するのだった。