私立小宮西高校に進学した利根遼平は、新しい高校生活に何か面白いことを期待しつつ、入学式に桜の下を歩いていた。そこで風に飛ばされてきた桜色のハンカチが彼の顔に張り付き、それが彼の気持ちを明るくさせる出来事となる。その後、怪我をした猫を助けたりするなど、利根は新たな出発に対して不安と期待を抱えながら日々を過ごす。
一方、小樽鈴香は、自身の進学先である私立小宮西高校において、コーラスへの情熱を抱えたまま、合唱部の体験を経て失望を感じる。既存の合唱部に満足できず、独自にコーラス部を設立する決心を固める。しかし、部活を始めるためには部員や認可など、さまざまな障害が待ち受けていた。
利根と小樽はそれぞれの思いを背負い、不確かな高校生活を歩み始める。利根は、不本意ながらもコーラス部に見学に行くことになり、そこで小樽の真剣な情熱とコーラスの魅力に触れる。利根は高校生活での居場所と面白さを模索しながら、小樽と共に新たな可能性に目覚めていく。一見異なる二人の高校生が、コーラスを通して絆を深め、自分たちの青春を刻んでいく物語の始まりである。