時は建武元年(1334年)。鎌倉幕府が滅亡して一年。後醍醐天皇は、約百四十年続いた武家中心の政治を改め、公家一統の政治を推し進めようとしていた。
しかし、政治は腐敗し混乱をきわめ、ある強欲で淫乱な公家が権勢を振るっていた。
賀茂神社に務める世にも美しい巫女、玉(たま)。彼女が妹のように愛する巫女、千代がその公家の手先に斬られてしまったことで、ついに、玉の堪忍袋の緒がぶち切れた。
玉は、誰もが対処に困った、その公家に、正義の鉄槌を下すことを決意するのであった。
2018.12.29 「かんアワーズ2018」受賞作品
古典恋愛 史実 時代小説 建武の新政 後醍醐天皇・後伏見院 光厳上皇・足利尊氏 佐々木道誉・千種忠顕 卜部兼好・闘香・和歌 万里小路藤房・闘茶 連歌・琵琶・賀茂神社 巫女・神主・賀茂祭
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