メンタルシナリー《心象風景》の見える美大生「小谷野 涼太」は、天才小説家である明日菜 玲、
ペンネーム「青木 嶺」に出会う。
そこは人の行き交う駅前で、彼女はギターを弾きながら歌っていた。
彼女の頭の中で描かれるイメージはあまりにも美しかったため、ついふらふらと近寄っていくと、イメージの中の少女がなんと具現化して出てきてしまう。
どうして具現化したんだ?
今までこんなことは一度もなかったのに。
「アンタ、スランプにハマったんでしょ」
「……っ別に」
「アタシにわからないはずないでしょ?…涼太クンには?」
「…言ってない。………言えるわけ…ない」
「…アンタ変わんないわね。…もっと誰かに、頼りなさいよ」
「……無理」
「はぁ…頑固なんだから」
「似た者同士なのに。まだわからないの?」
「似た者…同士」
「そ。とにかく話しなさいよね」
「……私と、涼太が…?」
戸惑う涼太に、明日菜は涼太のスケッチブック見て「私の小説の絵を描いて欲しい」と言われる。
ただの美大生の僕に、なぜこんなことが次々起こるのだろうか?
銀色の少女は言う。
「わたしは彼女の友達として生まれてきたの」
「でも、もう、大丈夫」
「りょーた、れいちゃんを、よろしくね…」
消えてなくなる銀色。
スランプにはまった小説家。
似た者同士の鈍感な恋。
「気づいてしまった…僕は…」
「僕は…貴方《明日菜》のことを…」
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