ようこそ「対異世界機構カルネアデス」へ。
私たちの任務は「異世界」に拉致された地球人の回収及び関係者の処分です。
皆さんは「異世界」についてどのようなイメージを抱いているでしょうか。
およそ、中世ヨーロッパのような文化レベルに剣と魔法のファンタジーでしょうか。
このイメージが確立されたのは2000年代初頭であり、私たちが一つの計画に成功した頃でありました。
私たちは当初の失敗から類型的なカバーストーリーを流布することで地球人が呼び出される世界に一定の制限を設けることに成功したのです。
私たちの現在呼称する「異世界」は計画の産物と言えるでしょう。
これによって惑星規模の植民戦争を行っている世界や、対処不能な旧き神々に蹂躙される世界と接触することは回避されました。
しかし異なる世界との不用意な接触、融合という危機は未だに残っています。
また科学によって追放された古の技術が幅を利かせ、空想の産物であるはずのモンスターが跳梁跋扈する世界に送り込まれた地球人の末路を想像してください。
生贄、政争、飢餓、惨殺、処刑……etc.
それは物語のように美しく、楽しいものではありません。
冷徹に、そして時に非情に、任務を遂行して下さい。
私たちの組織名はその為に付けられました。
我々の世界が崩壊することは防がなければ。
以上で任務内容の説明を終了します。
この後はA級エージェント六城とC級エージェント鳴瀬による記録を紹介するので第1ページ目を開いて下さい。
世界の維持。
それこそが我々の至上命令だ。
だからそう、たとえ一枚の板から他人を落とすように他の世界を滅ぼしてでも────。
2023/4/18 改稿作業中です。
作品情報
ハイファンタジー[ファンタジー]
R15残酷な描写あり
最終更新日:2019年07月20日
近未来 対異世界 組織チート 工作員 銃 魔法
読了時間:約152分(75,631文字)