「君は知っているかな。この渋谷の裏で、全身の血を抜かれて死んでいる人間が居る事を」
平和の国日本。高校生岸辺雪(きしべそそぎ)の住む東京都渋谷の影には、彼らが関わる事の無い有象無象が蠢いていた。
「単刀直入に言うと君は吸血鬼だ。私達はその正体が知りたいのだよ」
「……は?」
雪は謎の組織「ドルルーサ」を名乗る霧峰岬これを告げられる。
平坦な日々を送っていたはずの岸辺雪はこれを機に、この世界全体を巻き込む果てしない物語へと身を投じる事になる。
血は血で洗われ、一度きを抜けば命を落とす暗闇の戦場の中で、雪は一体何を見るのか。
吸血鬼との正体とは。ドルルーサとは果たして。
日常に潜む非日常に抗う、岸辺雪の劇場が今幕を開ける。