「冒険者になりたい」 誕生日に買ってもらった冒険譚を抱えて、フィアナ・ソールナーは父に将来の夢を宣言した。 家族は心配そうな顔はしたが、反対することはなく、むしろそのために必要な準備を手伝ってくれた。とても恵まれていると思う。 ただ、私が冒険者になりたかったのは番を見つけるためではなく。番相手の元婚約者を泣かせたかったわけでもない。 ……甘やかされるのは苦手なんだけどな。