ここは異世界の島国。ここには、我々の世界の日本における戦国時代のような戦乱期が訪れていた。
かつて国を統べた都の中央政権はその実験を失って久しく、数多乱立する領主たちが互いに骨肉の争いを繰り広げ、興亡を繰り返して止まない。
人々は虐げられ、弱い者は奪われ蹂躙され、民の苦しみは無間地獄の様相を呈したという。
そんな戦乱の世とは裏腹に、北方の雪深い山岳地帯にぽっかりと空いた「最果て盆地」を治める小身の弱小領主・業築張堅は、優雅で安穏な日々を送っていた。
過酷極まるはずのこの地で、何故そのような生活が送れているのだろうか?はてさて…