遥か昔、その世界では、魔族と人間が長い間争いを続けていた。しかし、その争いに終止符を打った人間達がいた。その者達はその後、人々から「英雄」と呼ばれるようになった。「英雄」達は後生に自らの力を託すため、自身の知識や技術を詰め込んだある結晶を作り上げた。そしてその結晶は世界各地に隠され、人々から《英雄の結晶》と呼ばれるようになった。
そんな伝説が伝えられている世界の、比較的魔物の少ない平和な村に シキ・エルフォ と言う少年が住んでいた。シキは魔法が一切使えないというもので村で有名ないじめられっ子だった。ある日、隣の街まで買い物に行く途中でシキはいじめっこ達によってどこか分からない洞窟へ閉じ込められてしまう。とにかく、抜け出そうとするシキだがいつの間にか洞窟の最奥へときていた。しかし、そこでシキが目にしたのは、かつて「英雄」と呼ばれていた者の一人である【賢者】の《英雄の結晶》だった。