魔術師の名門・ザルリディア一族の物語。
第一章・・・ザルリディア一族の若き女当主ラセリアの物語。
ある日、ラセリアは夫・ルーベンが、他の女との間に生まれた子供を次期当主にしようと画策していたことを知り、一族の目の前で完膚なきまでに叩きのめし、ルーベンを追放する。
その後、ラセリアの後夫を決めるために一族会議が開かれるが、誰も名乗りを上げず……。
『ロジーナ弟子をとる』の100年以上前の話。
第二章・・・ラセリアの娘・レイラの物語。生粋のお嬢様として成長したレイラはある日、その醜い容姿から陰で「ザルリディアの豚姫」と呼ばれていることを知り、ひどく落ち込んでしまう。そんなレイラに、父マティアスは……。
『ロジーナ弟子をとる』の85年くらい前~の話。
第三章・・・レイラの侍女・シンシアの物語。
漁師の娘・シンシアはレイラ付きの侍女であったが、レイラに気に入られ、まるで妹のように可愛がられていた。シンシアはいつしかレイラの弟であり、ザルリディア本家の若き当主・レクラスと心を通わせるようになり、ふたりは結婚の約束をするまでになる。だが、ある日、レイラ、レクラス姉弟の大叔母・イザベラに身分違いを指摘され、シンシアは衝撃を受ける。主家のために自ら身を引くことを決意し、屋敷を後にしたシンシアは……。
『ロジーナ弟子をとる』の70年くらい前~の話
第四章・・・ザルリディア一族のお転婆娘イーウイアの物語。
しょっちゅう魔術の訓練中に姿をくらますイーウイアに師範魔術師たちは手を焼き、イーウイアは次々に師匠を変えていた。新しく入門した先で、早々に師匠の館を抜け出したイーウイアは、攫(さら)われそうになっていた少年を助け出す。イーウイアはその少年と仲良くなるが……。
『ロジーナ弟子をとる』の30年くらい前~の話
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