私小説とは、文字通り自分の経験を書く小説だ。
筆者はどんな性格をしているのだろう。
よくそんな羞恥を公然に晒せるものだと、僕は思う。
だけど、分かってしまった。知ってもらいたいわけではないが、
確かに、吐き出さずにはいられない毒があるということを。
それはどういうモチベーションか。
きっと、同じ苦しみを持っている人間を救いたいなどという偽善なのだ。
僕の物語を知って、あなただけではないと知って欲しい。
そんな贅沢な願望を抱けるほど、僕は今幸せである。
愛は、時に法律をも破り、他者に癒えぬ傷を与える猛毒である。
それを忘れない限り、いつだって繊細でいられる。