レイアは女神への信仰を失い、魔女になった。
ステイオンは魔女を討伐するため、聖騎士になった。
魔女を滅するまで老いることも死ぬこともない。
しかし討伐すべき魔女レイアはステイオンの相手をせず、のらりくらりと逃げたり、不意打ちで勝利して逃げたりばかり。
生真面目なステイオンはレイアの手のひらで転がされながらも、天真爛漫なレイアを憎むこともできず、不思議な関係ができあがる。
時に近くで、時に遠くで永い時を生きていくうち、唯一同じ永遠を生きる二人は惹かれあっていく。
歴史に現れては消えていった人々とともに歩く六百年。
使命と愛の狭間でステイオンはどう生きるのか。
そしてレイアが選ぶ未来とは。
人々に語り継がれる伝説の傍らで、恋の結末は歴史の裏に消えていった。
これはその、語られない歴史の物語。