読書が趣味の神埼浩一(かんざきこういち)は人が滅多に訪れない『裏山』を自分だけの読書スペースと称して利用するのが日課だった。
ある日そこに一匹の雌の黒猫が現れる。猫好きの浩一が“彼女”を追いかけていくと、その先には真っ黒な服を着た不思議な少女がいて…。
一方、浩一に気になる女性ができたという気配を感じ取った幼馴染の由香子(ゆかこ)は、相手の姿を一目見たいと奔走するがニアミスばかりで一向に会えない。
やがて、ひょんなことから、“彼が作り出した幻なのではないか”と、その存在を怪しむようになる。
そして彼女の起こした“ある行動”が思わぬ事態を招くことになり―――!?