「私」がある泉のほとりで出会った青年は悩みを抱えていた。それは姉の結婚についてだった。姉は近所で周辺の美人、相手は大企業の御曹司、結婚を機に実家はますます繁盛し、青年自身も職を得ることが出来る。悩む要素は1つもないと思われたが、実は姉の美しさに秘密があった。姉の美貌は、この泉の水を飲み続けなければ維持出来ないのだ。泉の水を容器に詰めて嫁ぎ先に送ろうにも、水は腐りやすく煮沸も出来ないため、この場で飲み続けるしか方法はない。「泉の水の効果が切れ、姉が不美人だとバレたら即別れさせられる。姉も実家も自分も全てを失う」と嘆く青年に、「私」は一計を案ずる。
身分差 古典恋愛 日常 水 美人 御曹司 信憑性
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