世界は極めて平和だった。
どこかで人が産声をあげ、どこかで人が死ぬ。
生と死のサイクルが、世界の平和を裏付けていた。
その世界を、魔王は静かに見守っていた。
しかし何かが変わった。
そう変わった。
何もかも変わった。
全てが変わった。
変わった。
変わった。
変わった。
変わった。
変わった。
変わった。
西暦最後の年、イースター沖上空で、ある者が天使を見た。
見惚れる天使を。
世界はどよめいた。
やがて天使が光を纏った時、
天は裂け、
空は泣き、
大地は砕け、
海は暴れ、
上下が分からなくなってしまった。
やがて[大災厄]から15年の時が流れた。
一つの小さな、うさぎの耳を持つ者の村で、
1人の少女が剣を持ち立ち上がる。