十七の、夏至が過ぎてからしばらく経った頃だった。
まだ坊主頭だった私にとって、あれは一つの夢に過ぎなかった。
夢の中でも、とりわけ悪夢に分類されるものだ。もしあれが悪夢でないというのなら、他にどのような言葉が当てはまるだろう。
目が覚めれば途切れるはずの、一晩という檻から決して抜け出すことのないものだと思っていた。
今になってそれが私の心にふと蘇ったのは、なんてことはない、神の気まぐれによるものなのだ。そう思わなくては、どうにかなってしまいそうだった。
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