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連載 10エピソード
 ロボットという存在を通して、人間の持つ愛憎を描くSF仕立ての物語。  西暦2078年。ロボットの開発技術は急速に進歩し、現在のコンピュータのように社会に普及。今や、自ら思考し、学習能力を備えた新しいモデル=アンドロイド(人間型ロボット)は、人間の心のケアをするまでになっていた。  ロボットプロデュースの最先端企業・イザナミロボテクスが作った「テルミ」は、その中でも最も秀でた力を持つアンドロイドだ。開発責任者である若きエリート・富士晃は、彼女を企業のビジネス戦略の重要な用兵とみなし、とある老人ホームに介護スタッフとして送り込む。  奇妙なサイドビジネスに興じる園長・小田部晋作と、ロボットを毛嫌いする介護士長・一条紀子が運営するそのホームで、テルミは入居老人のひとりであるテツと友だちになる。認知症で子ども時代に返っているテツは彼女の情操を刺激し、やがてふたりは強い心の絆を結ぶようになる。  そして季節は夏。お盆の時期。仲間の死をきっかけにして、自分の故郷と家族への思いに目覚めるテツ。それを叶えてあげたいと考えたテルミは、彼をホームから連れ出し、故郷の街へ小さな旅を企てる。様々な出会いと発見に満ちたその旅はふたりの運命を大きく変え、さらにそれは人間とロボットの未来を変えるドラマに繋がっていく。
作品情報
ノンジャンル[ノンジャンル]
最終更新日:2011年04月19日
ロボット 未来社会 アンドロイド 老人ホーム 介護士 認知症 故郷 少年 老人 夏 家族 人間ドラマ 旅 21世紀 老人介護 読了時間:約110分(54,527文字)