前野聡は、どんな決断も「マッチ占い」で運任せにしてきた。
仕事でも私生活でも、選ばなかった未来を振り払うように、祖父から譲り受けたマッチを擦り続けている。
ある日、彼に大きなプロジェクトのリーダー役が舞い込み、同時に5年付き合った彼女との結婚を決断するよう迫られる。
しかし、最後の一本のマッチも無くなりかけ、心の迷いを抱えたまま立ち尽くす前野。
そんな彼を見かねて、後輩の斉木瑛子が「自分で選ぶ強さ」を説き、未来をマッチで決めることをやめるよう助言する。
瑛子の言葉と想いを受け、前野は運命ではなく、自らの意思で人生を選ぶ勇気を見出せるのか…。
シリアス 男主人公 現代
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