ディグルマン大陸は北部のペンニニ区、北西部のシャウザオ区、南部のベヌレッツォ区そして中央部のフォル区からなり、気温は比較的温暖で自然豊か、事件や災害等は滅多に起きない平和な大陸であった。
しかしそれもここまでであった。
ペンニニ監獄大脱走事件。
それは、大陸一の規模を誇るペンニニ監獄に収容されていた受刑者全員が看守全員を殺害した後脱獄する、というものであった。
警察は、脱獄者のうなじのあたりに黒いカエルの刺青が彫ってある事、脱獄者の殺害を特別に許可する事、協力者には懸賞金を支払う事そしてその中に『異端能力者』がいる事を伝えた。
異端能力者とは、何らかの要因で特別な能力を獲得した者たちの総称である。