春から高校三年生となる希望の光の中の一人の少女、
ある春の日、彼女は心から信愛していた者を失う。
そのことからすべてををなくした彼女は世界から色が失せ、大好きだった音楽さえも失った。ついに彼女は自分の存在さえも失くすことに…決心などせず流れるがままに春の風に身を任せる。
目を覚ますはずのない彼女が暗闇から目を覚ますとそこには、まばゆい光の世界が広がっていた。目をくらませながら木の門を超えればそこには森の中に広がる動物たちの国が。
その国ではすべての動物に音楽という役割が与えられる。歌を歌うもの、ピアノを弾くもの、ハープを奏でるもの…そこで彼女が出会ったのはいつまでも自分の音楽に出会えず泣いていた一匹のウサギ。彼に失った存在を重ねた彼女は、彼を手伝うことに。その中で彼女は少しづつ光を取り戻していく。そして同時に失ったものへと向き合い始める。
存在するものの意味。存在しないものの意味。
彼女は失ったことで見つけた新たな光を得始める。
そしてついに彼女は…
すべてを失った彼女が最後に得るのは一体何なのか。
すべてを失い、当たり前のような光を求めて旅は始まる。