魔物が世界にあふれ、巨大な国家は存在せず、小さな国が、人々が独自に発展を遂げた。 そこには獣人と人間が暮らしていた。 小国を奴隷商人の馬車を利用し、『隻眼の魔法使い』を探しているフードを被った謎の多い童子『カロル』が様々な小国を旅する寓話集。 【第一章】 獣人の少年ニックは教会に祈りをささげていた。 身体が徐々に石に変わる奇病を患っている妹のサシャのために、ニックは祈る。 「どうか！　妹を元気な身体を持つ人間へと、転生させてください！」 慎ましい生活と希望を胸に、日々を暮らす獣人の兄妹に襲いかかる悲劇と救済の物語。

男は死んだ。自ら命を絶った。 そこは砂の上。砂漠に立ったその男は、魔物として転生していた。 男はある屍体と出会い、生きる目的を見つける。目的とはその屍体を蘇らせること。 蛇の魔女神アイシャに唆され、男は手段を選ばず最強の妖術師として行動を始める。 時は流れ、屍体の主は転生し、新たな物語が躍動を始める。 転生した少年、トートは、義の心を胸に、約束を果たすため動き出す。 それは蛇の魔女神アイシャを殺すこと。 そして、魔王となったかの男を殺すことだった。 剣と魔法、人間と魔物が織りなす冒険譚。 とくとご覧あれ。