ある海岸に停まっていた中型船は、人身売買を行なっている船だった。 そこに商品として売られていた名前のない少年は、同じ境遇にいた綺麗な少女に一目惚れをし、逃すことを決意する。 しかし、彼女のボスが世界最強の人間で、その日から最強に追われることになってしまうのだった。

　生まれつきの性分か、困っている人を見ると放っておくことの出来ない吸原優衣は、他人の世話焼きが過ぎて、とうとう親にも恋人にも見捨てられ、フリーターとして日常を過ごしていた。 　その日の帰り道、ガラの悪い学生に囲まれ悲鳴を上げている何かを発見。いざ、助けに入ると、そこには異世界から転移された魔王の魂が入っている鎧(タイツにしか見えないが)が落ちているだけだった。 　その鎧を手にした優衣は、他人も自分も救うために鎧の力を纏い、ヒーローとして人知れず活動していく物語である。

　冒険者が冒険をする時代は終わった。誰でも簡単に魔物を相手に無双できる装備「魔銃」の出現によって。 　それにより、冒険者は未知を追い求める冒険をやめ、安全圏から必要な分の魔物を撃ち、クエストをこなすだけの冒険を求めるようになった。 　これは、そんな朽ちていく冒険者の誇りを取り戻さんと奮闘する幼女の物語。 　……でも俺ロリコンじゃないからね。

魔法が使えるエルフ、手先が器用なヒューマン、運動能力に優れたビースト、それらの特徴の真逆の性能を持った三人が手を組み、泥棒となって自由気ままに過ごす話です。